串本ではサンゴの保護の為にオニヒトデの調査を定期的に行っています。
今回はその調査ダイブのボランティアに行って来ました。
調査したのは通常ファンダイビングで使う住埼エリアよりさらに潮岬を南側に回り込んだサメノヒレと言う場所です。写真撮り忘れましたが水面からニョキッと突き出た岩がサメのヒレにそっくりな事から名前が付いた様です。
ミカドウミウシが居ました。
このウミウシは結構大型の種で写真の個体で隊長30㎝くらいあったと思います。時々真っ赤なウミウシカクレエビが背中に乗っている事があり、バックが鮮やかな赤色なので撮影するととても綺麗な絵面になるので探しましたが居ませんでした。
サンゴが真っ白に白化しています。恐らくオニヒトデの食害によるものだと思われます。
居ました。オニヒトデです。隊長30cm弱の大物です。
ここはダイバーが入らないので恐らく人間を見るのも初めてなのでしょう。ハリセンボンが興味深げにこちらを凝視していました。
この辺りにはオニヒトデが一番好きなハードコーラルが少なく、他に食べる物がないのでとうとうソフトコーラルに噛り付いてる奴も居ました。
何の稚魚か種類は分かりませんが大量に居てキラキラと輝いていてとても綺麗でした。
今回の調査では結局写真の2匹だけが確認されただけでしたが、大きさから考えるとまだ他にも居そうです。基本的には夜行性なのでナイトで潜るともう少し出てきているかも知れませんね。
ただオニヒトデも自然の一部ですので闇雲に駆除すれば良いと言うものではないと考えます。サンゴは体内に褐虫藻と言うプランクトンを住まわせて日光を浴びる事により光合成をし酸素を輩出します。CO2を削減し我々に必要な酸素を供給してくれるわけですからやはり無くなってしまうと困ります。我々ダイバーが中性浮力が未熟で蹴って折ってしまう等と言う事は絶対避けなければなりません。しかしサンゴの保護の為にオニヒトデを根絶やしにして良いのか?と問われればそれもまた自然の摂理に反しているのではないでしょうか。
地球の環境と言うのは本当に絶妙なバランスで成り立っており、ほんの小さな不均衡から全てが崩れてしまうと言う様な脆弱さをはらんでいます。我々はオニヒトデを闇雲に敵視してしまうのでは無く、大量発生しないように各々が出来る事から見直していく必要があるのです。
例えば山肌などを開発で森林伐採し雨の度に赤土が海に流入すると海の中は富栄養化しオニヒトデが大量発生する原因になります。また我々がキッチンなどから出す生活排水も海に流れ込んだ時には同様に富栄養化の原因になりますのでなるべく食べ残しを流したり油ものを流したりするのを気を付けなければなりません。
個人個人が生活の中で出来る努力をしてこの素晴らしい自然を後世に残していけるとしたらこんな素晴らしい事はありません。
海に潜って自然の素晴らしさや傷ついている様子をダイレクトに見れるダイバーだからこそ分かるものがあるのです。これからもそれを知らない人に語り伝え、また海の中を知らない人に一緒に潜ってその素晴らしさや姿を紹介して行ける様に日々精進して参りたいと思います。
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